大学入試改革

大学入試の改革について、教育再生実行会議での議論が話題になっています。議論されている内容が実施されると、高校での教育は大きく変わります。

 大学入試改革のあり方が議論された11日の教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大総長)。“運”にも左右される一発勝負、1点差勝負の入試体制を 変えようと、各委員から活発な意見が出された。だが、面接や論文を重視する方向性には、大学側から「合否の公平性、透明性をどう保つか、課題が多い」とす る反論もあり実現には紆余(うよ)曲折もありそうだ。この日固まった改革のポイントは、高校在学中に学習の到達度を測るテストを導入することと、大学入試 センター試験を大幅に見直すこと。また、学力試験だけで合否判定すれば知識偏重を助長するとして、大学ごとに行う2次試験で面接や論文などを重視する方針 も検討された。
 現在の点数評価による選抜方法では、ボーダーラインに得点が集中し、わずか1点の違いが合否を分けるケースが多い。「東京大学の入試をやり直したら合格者の3分の1が入れ替わるだろう」(大学関係者)との声もあるほどだ。[産経 2013.10.12 07:41]
 大学入試改革を議論している政府の教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大総長)が11日開かれ、高校在学中に学習の到達度を測るテストを創設し、全員が参加する方向で提言をまとめていく方針を固めた。学力差に幅のあることを考慮し、発展レベルのテストの実施も検討する。
 推薦入試の拡大などにより、学力不問で入学できる大学が増える中、高校生の学習意欲を高めるのが狙いだ。一回だけではなく、複数回実施することで、受験者の本質的な能力を測るようにする。
  高校の到達度テストをめぐっては、当初、「希望参加型」とする素案が示されたが、この日の会議で異論が続出。学習意欲を向上させる上でも「全員参加がのぞ ましい」とする意見が大勢を占めた。また、大学入試に活用できるようにするため、基礎学力を測るテストだけでなく、難問をまじえた発展レベルのテストを求 める意見も出された。
 一方、大学入試センター試験の改革では、結果を1点刻みの点数で示すのではなく、一定幅の点数ごとに段階別に表示する方針をおおむね了承。その上で、大学ごとに実施する2次試験は面接や論文を重視する。[産経 2013.10.12 07:09]

大雑把にいうと、「複数回受験できる標準テスト」と「内申やAO入試での個人力重視」、つまりはアメリカの方法を意識しているように思えます。 そしてこんな記事が

学力一辺倒の一発勝負を是正するため国公立大入試で人物評価重視へ アメリカではどうなっている?


人物評価をするための、そして生徒の活動をさせるためのコストをよく考えないといけない、ということですね。高校においては、部活指導の大部分を教員が担当しています。ほんのわずかな手当てがでるのみで、ボランティアに近い状態で、現場の教員は疲弊しています。 それにさらに課外活動が増えるとなると、教員の負担が増すことは確実です。そのぶん、受験指導が楽になればよいのですが。

それと、「標準テスト」の中身が議論されていないことが気になります。制度改革のねらいは、「点数差をつけるためのアクロバティックな問題ではなく、素直に学力を測る問題を出題する」ことにあるのでしょう。問題作成に相当のノウハウが必要ですし、教科書や学習指導要領のかたちについても変えていく必要があります。高校理科については、実験が少なく、問題演習と知識の習得に偏り、「科学的な議論・推論の方法」「批判的に情報をとらえる方法」「生活と関連した知識の理解」など、科学という営みを社会人として行うための教育が不十分であることが、ずっと指摘されています。それが今後どうなっていくかは標準テストの「中身」にかかっています。






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