夏季合宿セミナー 7/31 ~ 8/2
さて、今年も恒例の夏季合宿セミナーの季節がやってまいりました。秋田県の将来を担う高校生が集い、実験や勉強をする、夏の大イベントです。 今回は「博士号教員」チームが実行委員に加わり、セミナーの運営について積極的に議論しながら方針を練っていきました。実行委員の先生方は毎回変わっていくので、今年で3年目になる自分は「ベテラン」の域に入ってきたのだなぁ、と感慨深いです。 内容も盛りだくさん。博士が担当したのは、1年生の実験、講義、交流会。2年生は交流会のみです。 こちらは「ひも理論」の講義の様子。さすがにみんな意欲的で、いろんなことを聞いてきてくれました。 今回、新しく「光」の実験を導入しました。 「光」ってのは本当に不思議です。人間にとっては本当に身近でありふれているけれども、逆に身近すぎるために、その本質が明らかになったのは、せいぜい百年前といっていいと思います。応用的にも、光の量子的性質を活用したレーザー光はいまや欠かせないものとなっています。 また、素粒子論の立場からも、「光」は特別な意味を持っています。現在の素粒子の理論は、すべて「ミクロスケールでの光の理論」とも言える「量子電磁力学」と同じ形で整備されているからです。 光は理論的にも、ミクロな世界の物理を切り開くためのきっかけとなったのでした。 と、個人的にはいろいろな想いこそあれ、高校物理では光の「波」の側面だけが扱われているので、粒子的な切り口から話ができたらな、と思ってこの実験を考えてみたのでした。 で、もともとやりたかったのは、「 量子消しゴム 」実験だったのですが、この実験、光学系をそれなりにきちんとセッティングしないとうまくいかないようで、予備実験でも結局成功しませんでした。なのでこれはあきらめて、光の干渉、偏光、直進性、波長の違いなどいろいろな性質を盛り込んだ実験を行いました。 おみやげは偏光板で作る「black wall」。これ、先輩の教諭に教えてもらったものですが、けっこう不思議です。 この合宿に着いては、さらに写真を追加する予定です!