秋田県の大学進学

書くのがめちゃくちゃ遅れてしまいましたが、アエラの記事から

大学進学「高い県 低い県」

全文はAERA 2009.4.27 号にあります。
07年から始まった全国学力テスト。秋田は小学生では2年続けて全国1位。中学生は07年に全国3位、08年には全国2位。高い学力に注目が集まった。

ところが、専門学校や短期大学などを含む大学等進学率は全国平均を約10ポイント下回る43%、4年制大学に絞ると30%強。都道府県別で40位だ。07年度の東大合格者数は東北6県で最も少ない8人。東北大合格者数も、東北勢が上位5位を占めるなか、秋田は10位に留まる。

秋田県に来てからずっとこのことを疑問に思っていました。で、まわりの先生がたに「秋田県の小・中教育は学力テストで全国トップレベルなのに、なぜ大学進学でふるわないのか」と質問したところ、次のような意見が帰ってきました。

  • 小中の「全国一位」というのはあくまで平均点の話。受験で戦うには上位層を伸ばさないと話にならない。

  • 県民性。人との競争を好まない。


わたしのような「博士号教諭」が採用された理由のひとつにも、「学力上位層の充実」ということがあると思います。

では、なぜ上位層が育たないのか?AERAの記事ははその理由にも踏み込んでいて、

  1. 県内に就職先が少なく、大学進学へのモチベーションが低い。高校進学が最大の関心ごとになっている。

  2. 県内に大学が少なく、身近に大学生が少ないため「大学生像」を描きにくい。


1. については疑問に思いました。少なくとも進学校においては進学へのモチベーションは十分に高いと思います。大学進学率を問題にするなら、職業高校と進学校の生徒数の割合を他県と比べてみる必要があるはずです。

2. についても納得がいきません。たとえば自分は関西育ちですが、高校生のときに大学生の知り合いもいませんでしたし、大学のことをよく知っていたわけでもありません。

いちばん不思議なのは、上の引用にもあるように東北6県の中でも秋田県が最もポイントが低いこと。1. 2. は仙台を除く他県でもほぼ共通しているはずだからです。

この「秋田県の謎」、どれくらい解明されているのでしょうか?この謎がはっきりとわかれば効果的な対策がとれるので、非常に重要だと思っています。

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